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多職種の協働っていうけれど

結局は感情的にこじれたりするのが主の、泥くさい問題だよね。 リフレクティブ・プロセスはじめとするナラティブ・アプローチは、自己開示という技術を通して、比較的ハードで統制的な仕組みづくりという方法から、越境的にソフトな感情の部分にアクセスできるのがアドバンテージなのかもしれないと思います。

リフレクティング: 会話についての会話という方法

リフレクティング: 会話についての会話という方法

ナラティヴからコミュニケーションへ-リフレクティング・プロセスの実践-

ナラティヴからコミュニケーションへ-リフレクティング・プロセスの実践-

この手の本は、異なる部署でのコミュニケーションに悩んでいるビジネスマンにこそオススメしたいのです。

医師の感情: 「平静の心」がゆれるとき

医師の感情: 「平静の心」がゆれるとき

医師の感情についてはこういう本があるのですが、多職種協働や異分野理解にまつわる(主にマイナスの)感情面について書いた本はないものでしょうか。*1 あったとして、異文化コミュニケーションでは常識だろう、というような内容が主になってしまうのでしょうが、ぜひ読みたい。

追記mitorizu.jp 学問分野間のコミュニケーションについて着実に取り組まれていて、「越境研究所」を運営されている中川瑛氏(Twitter: @salut_copain)のサイト「知の見取り図」に、異分野コミュニケーションについての良い連載がありましたので、載せておきます。サイト内で

文化は集団ごとに異なるため、異なる集団が交流するときには必ず文化的な違いに基づく誤解や摩擦が生じうる。このような問題のメカニズムを発見したり、それによる個人や集団の変化、その摩擦を緩和させるための方法を考えるのが異文化コミュニケーションという分野である。

これらの文脈を分野間の交流に置き換えて考えてみると、まさにこの連載で取り組みたいと考えている異分野コミュニケーションなのである。学問分野が異なれば、そこでのマナーや常識、認められる方法論や目的が大きく異なる。分野の外には違う分野があり、交流する際には往々にして誤解や摩擦が生じうる。

そのような問題のメカニズムを発見したり、それによる個人や集団の変化、その摩擦を緩和させるための方法を考えるのがまさに異分野コミュニケーションだとここでは考えたい。

と述べられているように、異分野コミュニケーションにおける感情の問題もまた、異文化コミュニケーションの文脈より理解をはじめるのが適切でしょう。個人的には、Workの社会学より至り、質的研究により感情を扱えるような「異分野コミュニケーションの社会学」の道があればそちらもぜひ見てみたいですが…。

*1:「Workの社会学」は英語圏に伝統があるといつかお聞きしたのに、まだ触れられていないな。