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2018-01-01から1年間の記事一覧

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第19章(要約)

19章『データとしてのドキュメントの利用』 本章の要約は以下 ドキュメントは種々の方法により分類される 研究において利用されるドキュメントは、それがおかれた社会的・実践的文脈の中においてのみ理解されるべきである 関連して、ドキュメントは単なる現…

【改訂版】選定の印は偽物か――建国システムと魔術の歴史についての考察(フリーゲーム『 冠を持つ神の手』より)

この記事は フリーゲーム「冠を持つ神の手」の世界設定、および一部イベントへの重大なネタバレを含みます。 ゲーム内容を元にした考察ではなく、ゲームの世界設定の明示されていない部分に関する内容考察です。つまりメタではなくベタです。 ダウンロードは…

ウヴェ・フリック著 小田博志訳『質的研究入門』をあとがきより概観

本書が質的研究の入門書の中で占める位置づけ、また質的研究自体が社会学の中で占める位置づけについて日本での文脈を記した「解説(訳者)」が参考になるので折に触れて参照したい。 そもそも日本での社会科学の位置づけが世界でのそれと大きく異なる(はっ…

(文献ミニ・リスト)医療社会学/医療人類学

先日の「スペキュラティブ・デザイン」と同じく、医療人類学・医療社会学についても本をかりたのでメモ。 「少なくとも二者(医療社会学・医療人類学)の違いが明確に述べられない状況は脱しなければ」という(いまさらながら志の低い)決意とともに、このあ…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第14章(要約)

今回はほぼ本文の抜粋です。 ナラティブへの期待「この(=ナラティブをデータの一形式として扱うこと)の出発点にあるのは、質問―回答形式の旧来型のインタビューで――それが仮に柔軟に実施されても――、人びとの主観的経験をどこまで明らかにし得るのかとい…

研究デザインの選択と『堂々と語る』ことと

「フリックは『全ての研究デザインを身につけてから、テーマごとにもっともふさわしい研究デザインを選択する』ことを勧めているが、私はむしろ研究デザイン同士の特徴を知った上で適切なものを選択し、選択したそのひとつについてよく身につけることを勧め…

選定の印は偽物か(フリーゲーム『冠を持つ神の手』考察)

この記事は ・フリーゲーム「冠を持つ神の手」への重大なネタバレを含みます。・ダウンロードはこちら。 「冠を持つ神の手」の世界設定 ・ゲーム自体は育成系のものです。 ・舞台はリタントという王国。・リタントのある大陸は西部にリタント、東部にホリー…

映画「アリスのままで」【感想文・ネタバレあり】

※本記事は学術的内容をまったく含まないいち大学生の映画感想文です。 ※多分にネタバレを含みます。未視聴、ダメゼッタイ。 風邪でブログネタの本を読めず、代わりと言ってはなんですが 医学・病気関連の映画を見漁っていたので、感想をここに置いていきます…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第11章(要約)

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第11章(要約) サンプリング戦略について。 ちなみに10章 フィールドへのアクセスは以下。質的研究者の期待とアクセスの問題開放的なフィールドに入るときの役割…

【文献ミニリスト】スペキュラティブ・デザイン

下調べ。 design-lab.tuqulore.comよいまとめ。 10plus1.jp 10plus1.jp ascii.jp読む。 アンソニー・ダンほか著(2016)『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。未来を思索するためにデザインができること』BNN.読んだ。特にp.023で取…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』旧版第3章(要約)

表象(representation)の危機・研究者は「ナラティブ」「会話分析」等々といったある形式でしか対象を汲み取れない・研究者が研究している対象(ナラティブなど)と、実際の対象とは本当に同一なのか?→表象の危機 ミメーシスとは ・もともとは美学・文学理論…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』(旧版)第2章(要約)

このメモは旧版の『質的研究入門』に拠っています。 こんかいは触れませんが、第1章の構成は以下です。 第1章質的研究とは何か−−その意義、歴史、特徴・質的研究の意義・量的研究の限界を自覚する・質的研究の基本的特徴……研究対象に適した方法と理論を用…

更新予定(仮)

原稿等が落ち着いたので、少しずつ更新していこうと思います。 内容は ・社会調査の方法/質的調査の方法(研究法全般) ・カルテ形式の歴史的変遷についてなにか ・スペキュラティブ・デザイン−−科学者と市民の対話の方法 ・リフレクティブ・プロセス−−「語…