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ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』旧版第3章(要約)

表象(representation)の危機
・研究者は「ナラティブ」「会話分析」等々といったある形式でしか対象を汲み取れない
・研究者が研究している対象(ナラティブなど)と、実際の対象とは本当に同一なのか?
→表象の危機

ミメーシスとは

・もともとは美学・文学理論
・元の社会→コード化→一致 という考えの否定
・規則の外部にある世界(世界の全体性、透明性?)を否定…規則は世界の「うちに組み込まれて」いる

3つのミメーシス
1のミメーシス
・そもそもナラティブがナラティブとして成立するための前提=ナラティブという形式が人生をrepresentできるという共通了解
2のミメーシス
・人生がナラティブという形式でrepresentされること(ナラティブという形式での提示が既に、解釈と同様の representation である)
3のミメーシス
・ナラティブの解釈というre-re-presentation

繰り返しになるが、これらの規則は世界の「うちに組み込まれて」いる。世界をミメーシスと切り離して論じることはナンセンスであり、世界を論じる際にミメーシスから独立して論じることもまた不可能である。

以上です。次はリサーチクエスチョンの立て方・分類等、いくらか実践的な話になる予定です。