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bookshelf of fukufuki 留学、英語、物語、よしなしごと

Lakoffの概念メタファー理論(補足)

概念メタファー理論とは、従来の「メタファーは言い換えである(比較説)」「メタファーは直喩の短縮である(代替説)」というメタファー論から一線を画し、メタファーが人の認知(思考過程)それ自体に影響し、成り立たせているとするもので、Lakoff(レイ…

人工知能学会「物語の生成」

(追記)抄録を読みました bsfukufuki.hatenablog.com 2018/06/06 人工知能学会発表 物語生成をモジュール化できる! →各部分の分担により進展が考えられる (発表要旨中では、日本語非依存な部分が弁別できるという利点も述べられていました) (メタファー…

精神分析読書会 2018/07/12「転移神経症概観」

活動内容 「転移神経症概観」に登場する神経症・精神病について、フロイトや同時代人の症例録を各自、よみ発表した。 目標 メタサイコロジー論のもとになったフロイト初期理論に密接に関連し、また〜メタサイコロジー論に至るまで通底する、フロイトの症例理…

(※備忘録)フロイト読書会「喪とメランコリー」と、思ったこと

疑問 第一局所論における「自我」はどこにも局在しないものと捉えればよいのか? フロイトのいう「想起痕跡」がフロイト(および、オットー・ランクほか「喪とメランコリー」本文中で記載がある別人物の)別の文献に由来しているようだが、見つけ出せていな…

(※備忘録)読書会『中動態の世界』と、思ったこと(フーコー、教育論、なぜなぜ分析)

先日、『中動態の世界』4章・5章の読書会を終えました。参加者のご発言と、そこから自分が思うところを備忘録的にメモします(後日、加筆するかもしれません)。 私の問題意識(コメントの前提) 『中動態の世界』の描いた世界を、いかに実社会の文脈での問…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第19章(要約)

19章『データとしてのドキュメントの利用』 本章の要約は以下 ドキュメントは種々の方法により分類される 研究において利用されるドキュメントは、それがおかれた社会的・実践的文脈の中においてのみ理解されるべきである 関連して、ドキュメントは単なる現…

【改訂版】選定の印は偽物か――建国システムと魔術の歴史についての考察(フリーゲーム『 冠を持つ神の手』より)

この記事は フリーゲーム「冠を持つ神の手」の世界設定、および一部イベントへの重大なネタバレを含みます。 ゲーム内容を元にした考察ではなく、ゲームの世界設定の明示されていない部分に関する内容考察です。つまりメタではなくベタです。 ダウンロードは…

ウヴェ・フリック著 小田博志訳『質的研究入門』をあとがきより概観

本書が質的研究の入門書の中で占める位置づけ、また質的研究自体が社会学の中で占める位置づけについて日本での文脈を記した「解説(訳者)」が参考になるので折に触れて参照したい。 そもそも日本での社会科学の位置づけが世界でのそれと大きく異なる(はっ…

(文献ミニ・リスト)医療社会学/医療人類学

先日の「スペキュラティブ・デザイン」と同じく、医療人類学・医療社会学についても本をかりたのでメモ。 「少なくとも二者(医療社会学・医療人類学)の違いが明確に述べられない状況は脱しなければ」という(いまさらながら志の低い)決意とともに、このあ…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第14章(要約)

今回はほぼ本文の抜粋です。 ナラティブへの期待「この(=ナラティブをデータの一形式として扱うこと)の出発点にあるのは、質問―回答形式の旧来型のインタビューで――それが仮に柔軟に実施されても――、人びとの主観的経験をどこまで明らかにし得るのかとい…

研究デザインの選択と『堂々と語る』ことと

「フリックは『全ての研究デザインを身につけてから、テーマごとにもっともふさわしい研究デザインを選択する』ことを勧めているが、私はむしろ研究デザイン同士の特徴を知った上で適切なものを選択し、選択したそのひとつについてよく身につけることを勧め…

選定の印は偽物か(フリーゲーム『冠を持つ神の手』考察)

この記事は ・フリーゲーム「冠を持つ神の手」への重大なネタバレを含みます。・ダウンロードはこちら。 「冠を持つ神の手」の世界設定 ・ゲーム自体は育成系のものです。 ・舞台はリタントという王国。・リタントのある大陸は西部にリタント、東部にホリー…

映画「アリスのままで」【感想文・ネタバレあり】

※本記事は学術的内容をまったく含まないいち大学生の映画感想文です。 ※多分にネタバレを含みます。未視聴、ダメゼッタイ。 風邪でブログネタの本を読めず、代わりと言ってはなんですが 医学・病気関連の映画を見漁っていたので、感想をここに置いていきます…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第11章(要約)

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』改訂版第11章(要約) サンプリング戦略について。 ちなみに10章 フィールドへのアクセスは以下。質的研究者の期待とアクセスの問題開放的なフィールドに入るときの役割…

【文献ミニリスト】スペキュラティブ・デザイン

下調べ。 design-lab.tuqulore.comよいまとめ。 10plus1.jp 10plus1.jp ascii.jp読む。 アンソニー・ダンほか著(2016)『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。未来を思索するためにデザインができること』BNN.読んだ。特にp.023で取…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』旧版第3章(要約)

表象(representation)の危機・研究者は「ナラティブ」「会話分析」等々といったある形式でしか対象を汲み取れない・研究者が研究している対象(ナラティブなど)と、実際の対象とは本当に同一なのか?→表象の危機 ミメーシスとは ・もともとは美学・文学理論…

ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門 〈人間の科学〉のための方法論』(旧版)第2章(要約)

このメモは旧版の『質的研究入門』に拠っています。 こんかいは触れませんが、第1章の構成は以下です。 第1章質的研究とは何か−−その意義、歴史、特徴・質的研究の意義・量的研究の限界を自覚する・質的研究の基本的特徴……研究対象に適した方法と理論を用…

更新予定(仮)

原稿等が落ち着いたので、少しずつ更新していこうと思います。 内容は ・社会調査の方法/質的調査の方法(研究法全般) ・カルテ形式の歴史的変遷についてなにか ・スペキュラティブ・デザイン−−科学者と市民の対話の方法 ・リフレクティブ・プロセス−−「語…

宗教は嫌えばそれで済むってもんじゃない(中村圭志『教養としての宗教入門―基礎から学べる信仰と文化』)

教養としての宗教入門 - 基礎から学べる信仰と文化 (中公新書) 作者: 中村圭志 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/11/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る ”宗教とは何か―。信仰、戒律、儀礼に基づく生き方は、私たち日本人には…

はじめまして

はじめまして。 主に本のレビューなどを投稿しようと思います。しばらくは更新頻度低めかつTwitterのまとめが中心になるかもしれません。