セゾン(ふくふき)はなぜ留学したのか? 今後は? 調べてみました!(※自己紹介記事です)
こんにちは。
ふくふき改めセゾンです。
これからもゆるく真面目なブログ・ツイートを心がけてまいりますので
「ふくふき(※現在鍵垢です)」からのフォロワー様も「セゾン」のフォロワーさんも そしてもちろんブログで初めて来てくださった方も
なにとぞ宜しくお願いします。
これまで大学院の入試や、英語の学習法等について話すことはありましたが
なぜ留学したのか? をきちんと説明する機会がなかったので
自分用の備忘も兼ねて、一問一答形式で書いてみます。
どこに留学しているの?
Columbia University School of Professional Studies, Narrative Medicine
そもそも貴様は何者?
日本の医学生です。半年間留学したら日本に戻ります。留年したくないです
いつから留学している?
1月から。ちなみに今日でNY生活16日目です。
Narrative Medicineとはなにか?
医学×人文学の学際領域・それによる医学教育の領域である「Medical Humanities」
(これはざっくりした広い領域で、医療倫理や、医療コミュニケーション学なども含まれます)の中で
「語ること」「語られたものと文学理論との関連」を主に取り扱う学部。
具体的には、インタビュー研究(質的研究)を実施したり、
病気を語った文学作品から臨床について検討したり、
「病気を語る」こと自体を批判的に検討したり(「語る資格の不均衡」)
といった感じです。
ざっくり言えば「医療についてのあらゆることば」を考える学部です。
院生やってるの?
半分Yes、半分Noです。
院試には合格しましたが医学生のためすったもんだありまして
今はNon−Degree Visiting Studentという身分で留学しています。
取った授業の成績は出ますが学位は取れません。
メリットとして他学部の聴講が容易なこと、学費が比較的安く済むことが
あげられます。
また将来的にこの大学院に入り直して学位を取ることももちろん可能です。
どんなことを学べそう?
人文学の医療応用という狭い領域の中で、さらに狭い「質的研究法による研究」を学びます。
私のもともとの関心は「働くこと(Work)の社会学と、医療現場への応用」「医師への調査による質的研究法」
「薬害HIV問題からみえる日本の医療」で、今回はその土台作りのために留学しました。
それぞれの関心について
「働くこと(Work)の社会学と、医療現場への応用」
従来の日本の社会学(特に質的研究)では「特別な状況」「社会問題」といった応用的な研究が主でした。
もちろん「ふつうではアクセスされない世界」にも「普通」が広がっているということ、
また「違うこと」を違うものとして知ることは難しく重要な課題です。
反面、日本ではordinaryに「働くこと」の社会学があまり育ってこなかったようにも思います。
会社で働くこと、異なる職種の人が協同すること、違う考えをすり合わせること、困難への対処……
そうした「当たり前」に思われている「普通の人」の働きに目を向けてみたい
というのが私の根本の関心です。
……私は医学生なので、願わくば、それが医療現場に役立つと良いと思っています。*1
「医師への調査による質的研究法」
質的研究法の一つの意義は語る声なきものの声に注目することにあります。
実際、日本の社会学研究は伝統的に社会的マイノリティの語りに注目してきました。
一方、「医師」という属性はそうではないでしょう。
こうした立場への質的研究として社会学には「エリートインタビュー」という文脈がありますが
実際に(特に日本で)そうしたインタビューが実施されることは少ないです。
私は日本の医療の問題にアクセスするにあたって、まず
「通常の」「働く」ことが「医療職」にとってどういう経験なのか
に関心を持ってきました。
これはともすれば質的研究法の限界に挑戦するかのような手法ですが
医療で起きている構造を明らかにすることが他の領域での議論を活発にして
社会学全体に貢献することもあるでしょう。……あるといいな。
「薬害HIV問題からみえる日本の医療」
上述について、薬害HIV問題について実施されたスクリプト録が存在し、
膨大な医師へのインタビュー録が(※一般にオンライン公開されているわけではありません)あります。
以前にMERS様から記録をお借りして「医師が語ることの困難はどこにあるのか」というテーマの
短い論考*2を書かせていただきました。
薬害でこそ浮かび上がる何かがあると個人的に感じ入るところでしたので
今後ともなにか書ければと思っています。
生徒はどんな人が多い?
医者、人類学者、それらを目指す学生、など様々です。
日本ではあまり馴染みのない立場ですがpreMedの学生もいます。(このあたりの違いも一度まとめておきたい)
いずれにせよ、人文学系の関心・バックグラウンドのある人が多いのは確かかと思います。
メディカルスクールの学生で学部時代は西洋哲学をやっていたという人がいて、
私はちょっとうらやましくなりました。
コロンビア大にはオーラル・ヒストリーの研究拠点があるので、その生徒も来ていたりします。
また背景に関わらず、現在の医療制度・臨床に対して批判的に検討する姿勢が
共通しているように思いました(これは教員も同様です)。
私は人文学系の関心を医療に役立てたく留学したのでこのことに満足しているのですが、
思ったよりも”実際的”で”(良い意味で)攻撃的”な学部だったと感じています。
留学して実際どんな感じ?
英語がめちゃくちゃしんどい。
IELTSのOA7が入試の最低条件だったのですが、あれは何だったのかという感じ。
Speakingの”実際の”RequirementたぶんIELTS換算で7くらいありますね。。
NYの街はどう?
めちゃくちゃ楽しい。
MoMAやメトロポリタン美術館など、NYは現代芸術に触れやすい街です。
また音楽も、カーネギーホールの隣のホールで現代音楽の初演会をやっていたりします。
芸術が生まれていく瞬間を目撃するのは観ている側も楽しいです。
コロンビア大の学生は通常の学生優待の他に美術館優待も受けられて、かなり助かっています。
授業は? 先生はどんな人が多い?
私の留学中に取る授業は社会科学(Political Science, Sociologyなど)が専門の人が多くなりそうです。
授業は「質的研究法・研究」「間主観性の哲学と臨床の関係」「疾患と障害のナラティブ」等です。
文学を読んで感じたことをDiscussionすることが主の授業もあり、
(要求される英語力的な意味で)度肝を抜かれました。
留学したあとはどうしたい?
医師になります。※国試に受かれたら
診療科は決めていませんが、どの診療科でもNarrative Medicineで学んだことは活かせると感じています。
また現実の問題に目を向けても、代替医療やワクチン問題などさまざまな「医療についてのことば」が行き交う中で、
私が学ぶ研究法や視点は必ず有用なものと信じています。
あくまで私のキャリアは医師として続くと思いますが、将来的に、
どこかのタイミングで質的研究による医療の社会学に取り組むことを希望しています。
(国内大学院でよさそうな所があれば教えて下さい!)
また野望としては、私自身が教育者になるかにかかわらず、
日本での医療×人文系の教育キャリアを開いていければこれ以上ない幸せです。
(追記:2020/01/29)
来る前
— セゾンの角煮@医学×文学📕NY✈️ (@sezon_kakuni) 2020年1月24日
・半年も留学か〜へへへ〜
きた後
・半年じゃ
ぜんぜん 足り
ね〜〜〜〜!!
╋━━━━
FINAL FANT
ASY
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